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ロスカット・強制ロスカットの仕組みと回避策

Nov 03, 2025 4:25 PM
注意アイコンと下落するローソク足(赤い矢印)に最下部のストップロス線。FXのロスカットの仕組みを示す図。

FX取引において避けて通れないのが「ロスカット」と「強制ロスカット」の存在です。聞いたことはあるけれど、実際にどのような仕組みなのか、またそれがなぜ重要なのかを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。本記事では、「ロスカットとは何か」「強制ロスカットの仕組み」「借金を防ぐための対策」について詳しく解説し、FX初心者が安心して取引を始めるための知識をお届けします。

ロスカットとはFXにおける損失限定の自己防衛策

ロスカットとは、保有しているポジションに対して自分自身であらかじめ設定した損失ライン(損切り注文)に達した場合に、自動的に決済が行われ、損失の拡大を防ぐ仕組みです。FXでは、自己資金(証拠金)をもとに何倍もの取引ができる「レバレッジ取引」が行われるため、小さな為替変動でも大きな損益が生じる可能性があります。

そのため、あらかじめ「ここまで損失が出たら決済する」という水準を設定しておくことで、相場の急変動時にも冷静な損失管理が可能となります。この損切り設定は、投資家自身がリスク許容度に応じてコントロールできる点が大きな特徴です。

強制ロスカットとは?証券会社が自動で行う緊急措置

強制ロスカットとは、ロスカットの中でも特に「証拠金維持率」が基準を下回ったときに、証券会社が強制的にポジションを決済することを指します。この措置は、投資家の損失が自己資金を超えて「借金」になることを防ぐためのものです。

例えば、急激な為替変動が起こり、損失が急拡大した場合、トレーダーが手動で決済する前に強制ロスカットが執行されることがあります。つまり、本人の意思に関係なく強制的にポジションが清算されてしまいますので、損失が確定します。

「口座資金」「レバレッジ取引」「含み損拡大」→「証拠金維持率低下」→「強制ロスカット発動」までの流れを矢印で示した図

こちらの記事では、追証・マージンコールの仕組みを詳しく説明していますので、よろしければ、合わせてお読みください。

ロスカット強制ロスカットで「借金」になることはあるのか?

FXでは、ロスカットや強制ロスカットによってある程度の損失は防げますが、市場の急変動時にはその仕組みが間に合わず、損失が証拠金を上回ってしまうケースもあります。この場合、不足分は「追証(おいしょう)」として投資家に請求される可能性があり、結果的に借金を抱えるリスクが発生します。

特に、以下のような状況は要注意です:

  • 週末や祝日などのクローズ中に大きな相場変動があった場合
  • 経済指標や地政学リスクで瞬間的に為替が大きく動いた場合
  • レバレッジを高く設定しすぎていた場合

ただし、EC Markets などのような海外FX口座では、ゼロカットシステムを採用しているところが多く、入金した金額以上の損失は出ない仕組みになっています。

ロスカット強制ロスカットを回避する4つの対策

ロスカットや強制ロスカットを完全に防ぐことは難しいですが、次のような対策を講じることで、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。

1. 適切なレバレッジ設定をする

初心者ほど低めのレバレッジ(2〜5倍程度)から始めるのが安全です。過度なレバレッジは損益の振れ幅を大きくし、強制ロスカットを招きやすくなります。

2. 損切りライン(ストップロス)を設定する

自動損切りを設定することで、相場が不利に動いた場合でも損失を一定範囲に収めることができます。特に重要指標の発表前などは必須の対策です。

3. 証拠金維持率を常にチェックする

取引ツールでは、リアルタイムで証拠金維持率を確認できるものが多くあります。こまめにチェックし、余裕のある資金管理を行いましょう。

4. ニュース・相場の動向を把握しておく

突発的なニュースや地政学リスクにより、相場が大きく変動することがあります。日頃から経済カレンダーやニュースに目を通すことで、急変動の兆しをつかむことができます。

まとめ:ロスカットとはFXで生き残るための防波堤

「ロスカットとは」、FXにおける最も基本的でありながら極めて重要なリスク管理の仕組みです。強制ロスカットに至らないようにするには、日々の資金管理と冷静な判断力が求められます。また、「借金」リスクを避けるためにも、レバレッジのかけすぎや過信は禁物です。

FXは正しい知識と対策をもって取り組めば、安定した運用も十分に可能です。初心者の方はまず「ロスカットの仕組み」と「強制ロスカット」の違いを正しく理解し、自分の資金を守る意識を持って取引を始めましょう。